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1月20日(土)18時より、「認定ヨーガ療法士のための事例検討会」が全国ネットで開催されました。札幌は札幌市教育文化会館で6名が参加。発信地の大阪から、臨床心理士の鎌田穣先生のスーパーバイズにて進めていきます。大阪会場には、北海道からも数名が参加しており、熱意が伝わりました!

今回は、アセスメントを進めるうえで、セラピストの記録方法についても大変参考になりました。セラピストのバイアスが入ってしまうと、「事実(観察)」「(クライエントの)口述」「推測」の境目があいまいになってしまいます。まずは客観視をして、根拠を挙げてから推測する順番を間違えないようにすることが必須です。

また、クライエントと対話する中で、「クライエントの行動や言動の目的は?」を常に念頭に置くことで、これから先のアセスメントが立てやすくなるとも感じました。

以下は佐高の考察になります。アドラー心理学では、「ライフスタイル」という概念があり、それは「個人の無自覚的な人生目標」、「認知の枠組み」、「無自覚的な人間の運動の法則」とされています。これらがもっとも顕著に表れるのが「私が共同体(例として家族、職場等)に所属するために最も手に入れたいものは何か」、「私が最も避けたいもの(嫌なもの)は何か」に直面した時だと言われています。

クライエントが「嫌がること」「どうしてもこうしたい」という強い気持ち(執着)が現れている時は、ライフスタイルを分析することで、アセスメントしやすくなるケースもあります。今回の事例検討会では、クライエントが「課題達成重視タイプ」か「主導権を取りたいタイプ」かが話題になりました。

「主導権を取りたい」タイプは、対人関係の調整を重視するので、目の前の問題そのものではなく、関わる相手や状況との関係をどうしようかが、関心の中心です。例えば、職場で同僚を人気店にランチに誘ったら相手に断わられるという状況の時に「私の誘いを断るわけ?!」とか「私のことが嫌いなの?」とランチを一緒に食べるかどうかよりも、私の言うことを聞くかどうかに関心があり、ランチに行かない=私を拒否した、と考えがちです。

「課題達成重視」タイプは、相手と関係が良いとか、好意をもっていることはあまり重要ではなく、ランチに行くか行かないかが重要な要素になります。相手から「ランチに行けない」と断られると、それを解決するために、さまざまな代替案を出していくこともあります(別の相手を探したり、曜日を変えたら行けるか提案したり)。しかしこれらはすべて、問題解決(人気店にランチに行く)という目標のための手段と考えられています。

下記のように、似たような言動でも、タイプが変わります。

・「自分の言うことを聞け!」→相手を自分に従わせる「主導権タイプ」
・「自分のやりたいことをやらせろ!」→私の行動は私が決める「課題達成タイプ」

このようなライフスタイルは、無自覚に、ついやってしまう行動や、なぜか理解できないが繰り返される感情の裏側にあらわれることが多いものです。

どのタイプが正しい、正しくないというのではなく、自分が偏りがちなタイプのネガティブな面がで、対人関係に影響を及ぼしていると思われるときは、逆のタイプのアプローチをしてみることで、今までとは違った見方、行動に変化することもあります。自分では、なかなかタイプに気づきにくいからこそ、セラピストが客観視して判断することで、見えてくる部分もあるのではないでしょうか。もちろん、そこに私たちのバイアスが入りすぎると、元の木阿弥になりかねないので、注意は必要です。

今回の開催でも、鎌田先生には丁寧に質問に答えてくださり、感謝しています。ありがとうございました。

【文責:認定ヨーガ療法士(札幌) 佐高 葵月代】
アドラー心理学研究会 代表